フジサンケイビジネスアイ 掲載バックナンバー A1|株式会社 脳力開発研究所

フジサンケイビジネスアイ 掲載バックナンバー
A 基本的な考え方

「脳」の働きを脳波で見る
私は、臨床の場に携わってきたわけではありませんが、かれこれ28年脳波の研究をしてきました。研究の目的は、せっかくの人生ですから、健康で、人間関係も円満、そして、どのような状況でも能力が発揮できる自分づくりです。いわゆる自己啓発・自己実現を、脳波の切り口で観察することでした。
これまで多くの方々の協力を得て、たくさん脳波を測ってきました。将棋の米長邦雄氏や野球の落合選手、記憶力世界一の友寄英哲氏や空手の達人、ヨーガの行者や修行僧、ピアニストや画家、超能力者など、分野は違いますが、それぞれが得意な能力を発揮しているときの脳波を測らせてもらいました。
その結果、臨床脳波の教科書に記載されていることとは違うことや、記載されていないことをたくさん見つけました。それらを順をおって紹介し、解説していこうと思います。ご批判をいただければ幸いです。

「脳」は情報処理するコンピュータ
私たちの体は、だれが数えたのかは知りませんが、60兆もの莫大な数の細胞でできている有機体です。その一つ一つの細胞は独立に生きている生き物です。もちろん勝手に生きているのではなく、役割を果たしながら秩序を保っています。だからこそ私たちは健康であり、さまざまな能力が発揮できるわけです。
この莫大な数の細胞の秩序をコントロールしているのが「脳」であり、したがって「脳」からいい信号が出ていれば、全身の細胞は機能的に働いて、手や足、腕や腰がうまく動いて、すばらしい能力が発揮できるわけです。内臓も調子よく健康で、目や耳などの五感の働きも感度よく、ときには第六感まで働いて、運のいい人生を送ることができるわけです。

「脳」は学習により反射を形成する
問題は、どのようにしたら「脳」からいい信号が出るかです。生まれながらにして備わっている自律機能は、もともといい信号が出るようになっていたはずですが、いろいろな状況からいい信号が出なくなり、心身症や神経症を患ってしまいます。
運動機能や的確な判断力は、生まれながら持ち合わせていない機能ですから、経験や練習を通じて、「脳」に成功回路を作らなければなりません。何も考えなくても反射的に理想の動作ができるような神経回路を形成することが必須です。人の倍も努力すれば、それだけ確実に神経回路が形成されることになりますから、「成功は努力の賜物」ということになります。どのような世界でも、努力なくして成功なし、と断言できます。ころが世の中は皮肉なもので、努力しないで成功する人もいれば、悲壮なほど努力をしても成功の兆しさえ見えない人もいます。
「楽しむこと」が成功の秘訣
実は、努力しているけれど楽しいので、それを努力と思っていない人がいます。朝早く目が覚めてしまうから起きて、時間があるから本を読んだりジョギングしたり、それがおもしろいからつい熱中してしまう。傍目からは、あの人は朝早くから起きて、大変な努力家のように見えても、本人はただ楽しんでいるだけで、つらさを感じない・・・まさに脳からいい信号が出ているのです。
好きこそものの上手なれ、趣味や得意なことなら・・・文字とおりうまくいきますが・・・勉強や練習、仕事となると、分かってはいても、好きになれないし、楽しむ心境にはなれません。そこを解決するのがメンタルトレーニングなのです。鶏か卵か、の論議になりそうですが、どちらが先でも構いません。要は、やることに楽しめるメンタルティーを養いましょう。
具体的な方法を、これから述べていきますのでお試しください。
A.1B.1〜10|B.20〜