脳研(株式会社 脳力開発研究所)は脳波計測のためのニューロフィードバック装置および、脳波を指標にしたメンタルトレーニングやビジョントレーニングなどの研究開発、指導、販売を行っています。
脳の状態を脳波でみる
アルファテックシリーズは、当社の創業者である脳波研究の第一人者の志賀一雅(工学博士)が開発を進め、多くの研究機関、施設、学校等、個人の方にご使用されてきたニューロフィードバック装置(脳波測定機)です。安価ながら高スペックな構造となっており、かつ簡易に脳波を計測でき、メンタルトレーニングの有効な指標として、またさまざまなシーンにおいて意識がどのように作用するかなどの観察にご活用いただけると自負しております。
アルファ波はどこで発生する?
脳波が発生するメカニズムは、まだ分かっていない。2つの学説があり、それぞれ決定的な検証が出来ていない。
1.脳幹の視床下部にある視交叉上核が一定のリズムを刻んでいるという観察があり、これが体内時計となって体のリズミカルな活動を生み出している、アルファ波の源もここにあるという考え方。
2.たくさんの神経回路が独立に活動しているものの、ある神経回路が優勢な働きを始めると、関連する他の神経回路も引き込まれて共鳴し、その共鳴の周期がアルファ波の周波数帯域にあるという考え方。
アルファ波はリラックスの脳波?
臨床脳波の専門書には「目を閉じて心静かにしていると、後頭葉からアルファ波が強く計測される。目を開けたり考え事をしたりすると、アルファ波は消失する。これをアルファブロックという。ゆえに、アルファ波はリラックスの脳波と考えられる」とある。この記述が一般に知れ渡っていると思われる。
しかし、アルファ波は後頭葉以外からも計測されるし、緊張していても計測される。したがって、アルファ波はリラックスを表す指標にはならない。
体の緊張は、筋肉の緊張度合いの指標である筋電図(EMG:Electro-Myo-Gram)で評価する。心の緊張も、脳波で判定すると間違える可能性があるため、手の平や足の裏などの精神性発汗部位での電気的な皮膚反射(ESR:Electro-Skin-ResponseやGSR:Galvanic-Skin-Reflectance)を観察すべき。
アルファ波は集中・共鳴の脳波であり、体が緊張していたり心が緊張していたりしても観察される。したがって、アルファ波が出ているからリラックス出来ているとは言えない。心も体もリラックスして、それでいてアルファ波が出るような状態こそ、実力を最大限に発揮できる脳のコンディションだと考えられる。
脳波のチャンネルとは?
頭部表皮に電極を装着し、内部抵抗の高い(通常10MΩ以上)増幅器に接続すると、生体の電気的な変動を検出することが出来る。この電気的な信号を周波数で区分し、4~30Hzの帯域を脳波(EEG:Electro-Encephalo-Gram)、100~1,000Hzの帯域を筋電図(EMG:Electro-Myo-Gram)と呼んでいる。脳波と筋電図の間の周波数帯は、商用周波数(50,60Hz)のノイズが強く混入するため計測が困難であることから、あまり調べられていない。
脳波の場合は通常、差動増幅器を用いて2部位間の信号差を計測する。一方の部位を耳朶に選定して基準電極にした場合を単極誘導法と呼び、一方、頭部表皮の2部位間に電極を装着した場合を双極誘導法と呼ぶ。後者の場合、2部位間の信号が揃うと差が0になり、あたかも脳波がなくなったように見えるが、差がないだけで脳波は出ているため誤解されやすい。
臨床や研究では、脳の特定部位の不具合を観察する目的で電極をたくさん装着し、相互の差を観察する目的で双極誘導法が用いられることも多い。そのため、臨床脳波計では32~64チャンネル計測できる機能を備え高価になる。臨床や研究目的でなく、脳力開発に用いる場合は、単極誘導法で計測する方が好ましい。
アルファ波強化の方法
心身のリラクセーションと意識集中が基礎
・趣味に没頭
音楽、絵画、スポーツなどに熱中
・意識集中練習
東洋:ヨガ、禅などの瞑想法
練習方法が合理的でないため、習得に時間は掛かるが応用範囲が広い。
ヨーロッパ:自律訓練法
本来は病気治療法だが、健康な人には能力開発として利用できる。
アメリカ:バイオフィードバック法
エレクトロニクス装置を使い、体の生理的な変化を電気的に捉えてリラックスした意識集中状態に誘導する。習得は早いが応用範囲が狭い。
メンタルウェルネストレーニング®:志賀式メンタルトレーニング
ヨガや座禅、自律訓練法、自己暗示法など、古今東西に伝わるトレーニングを研究し、アルファ波状態になるためのエッセンスを抽出・体系化したメンタルトレーニングプログラム。
心身をリラックスさせて意識を集中すると、アルファ波が多く出る。その状態への反射を形成すれば、プレゼンテーションや試験・試合の本番など、いかなる場面においても実力を発揮できるようになる。
脳波研究から生まれたメンタルウェルネストレーニング
私たちが健康で元気に過ごせるのも、知識や意欲が湧き出て豊かな人生を送ることが出来るのも、すべては脳の働きのおかげと言える。したがって、脳がうまく働いてくれさえすれば、おのずと健康は保たれ、仕事や勉強、スポーツなどのあらゆる生活面が充足されて行く。では、「どうすれば脳がうまく働くのか?」ということになるが、その答えは脳波にある。
これまで、様々な分野で活躍する人たちが能力を発揮している状態の脳波を数多く測定して来た結果、アルファ波の強さと持続性が、その能力発揮と大きく結び付いていることを発見した。そして、一般の人でも、アルファ波をコントロール出来れば、驚くほどの能力を発揮できることも実験で確かめて来た。
それらの研究に基づいて体系化したメンタルトレーニングプログラムが「メンタルウェルネストレーニング®」である。これは、脳の本来の力を引き出すための訓練法であり、このトレーニングを実践することで、過去にも数多くの人が確かな成果を収めて来た。
メンタルウェルネストレーニング®(MWT:Mental Wellness Training)とは?
プログラムの監修者である弊社相談役の志賀一雅が考案し、1983年より延べ3万人以上の受講者実績を持つ「自己恒常性開発プログラム(SRP:Self Regulation Program)」をベースとしたトレーニングプログラムのこと。
脳力開発研究所が提供する「メンタルトレーニング」も、現在はメンタルウェルネストレーニング®として実践指導を行っている。
健康管理から目標管理まで応用可能
私たちの脳には素晴らしい力(脳力)が備わっており、本来ならば、どのような環境や状況にも対応できるはずだが、複雑化した現代の環境の中で、不安や不満を感じながらも無理に適応しようとし続ければ、脳の働きに歪みが生じ、やがて心身の健康を損ねてしまう。
そこで、「ストレスコントロール」や「自己実現」に対しても効果的な「メンタルウェルネストレーニング®」の実践を通じて、期待感や満足感の感度を高めるなど、脳の活動を活性化し、心身の健康を維持することが重要になる。
現在、学校や企業、心療内科等で行われている「メンタルヘルス・ケア」は、「問題が起こってから対処する=対症療法」が中心であり、必然的に医師やカウンセラーを必要とするものが多くなる。それに対して、メンタルウェルネストレーニング®は「問題が起こる前に自力で予防する=セルフケア」トレーニングであり、日常生活の中に取り入れることで「自力で心身の調子を整える」ことが出来るようになる、実践的かつ予防的なトレーニングである。
トレーニング内容は、長年の実績に基づいた「予防のためのメンタル改善と向上のプログラム」として体系的に構成されているため、①すぐに始められる、②短時間で取り組める、③大人数でも一斉に実施できるという特長を持つ。個人活用はもちろん、家庭や職場などの様々な場面において、健康維持~願望実現に至るまで、幅広く活用することが可能である。
視覚-ビジョンとは?
「見る」という行為は、テレビのスイッチを入れるように、ただ単に眼を開けていれば成し得ることではない。私たちは、瞳に映った映像を、五感などの様々な感覚や脳に保存した情報と照らし合わせ、意味を与えながら「見ている」。これが、視覚-ビジョンのプロセスである。
視力と視覚の違い
視力は「ハッキリ見る」という仕事をしてくれるが、ビジョンは「見たものを“意味ある情報”へ導く」という更に重要な仕事をしてくれる。これが視力と視覚の違いである。
本当に「見えている」とは?
人間は、情報収集力の80%以上を眼に依存していると言われており、日々の行動やその成果は「見る」ことから大きく影響を受ける。
実のところ、私たちは眼だけでモノを見ているわけではない。もちろん視力も大切だが、脳と体で対象物を分析できて初めて、モノが「見えている」と言える。つまり、「よく見える眼」とは、見たものを脳だけでなく体も含めて「認識できている眼」のことを言う。
ビジョンに問題があると?
もしビジョンのプロセスがうまく働いていないと、たとえハッキリ見えていても、情報のポイントをつかめておらず、実際には正しく見えていないということも起こり得る。学校の成績が芳しくない子供、スポーツが苦手な若者、仕事のミスが多いビジネスパーソン、あるいは交通事故を繰り返し起こす人は、やる気の問題とか能力の問題ではなく、ビジョンの問題を抱えていることも考えられる。
“見る”には3つの要素がある
私たちの眼は、単にモノをはっきり見ることだけではなく、見ようとするものを広い範囲の視野の中から素早く見つけ、奥行きや立体感のある3D映像として捉えながら、見たものが何であるのかを脳で理解し、体で反応しなくてはならない。これらすべてが正しく働いて始めて「よく見えている」と言える。
①情報を鮮明に見る=「感覚機能」
視力が良いことは重要な機能だが、視力検査の結果が良くても、屈折異常などが隠れていては、安定した視力とは言えない。
②情報を正確に集める=「運動機能」
様々な方向から、そして、遠いところからも近いところからも、多様に入って来る光を逃すまいと正確に収集する能力。そのため、両眼はクルクルとよく動かなければならず、眼のピント合わせも上手でなければならない。また、眼が2つある以上、両眼のチームワークも重要になる。ビジョンの運動機能は、眼球運動、焦点合わせ機能、両眼のチームワークの3拍子が揃ってこそ高まる。
③脳と連携して情報を処理する=「情報処理機能」
眼に入った光の情報を分析したり、記憶として整理整頓したり、反応したりする機能。ここで重要なことは、他の感覚(聴覚・嗅覚・触覚・味覚・体性感覚など)や機能との相互作用も備わっていること。
私たちが「理想のビジョン」を得て、素晴らしい人生の鍵を手に入れるためには、この3つの要素が互いにうまく嚙み合って機能することが求められる。
専門学校
メンタルトレーニング、ビジョントレーニングを中心に、総合的な脳力開発プログラムで構成した授業を10年以上に亘り実施しています。
現在でも、数百名の学生が毎週の授業を受けており、情報処理能力の向上、集中力の向上、メンタルヘルスの改善などに役立てています。
これまでの導入校:船橋情報ビジネス専門学校(千葉)、日本工学院八王子専門学校(東京)、日本工学院専門学校(東京)、国際トラベル・ホテル・ブライダル専門学校(千葉)