2007年夏に「本番で実力がなかなか出せない、マイナス思考を改善したい」とイプラスジムの門を叩いた。まずベーシックコースで学び、2008年5月から個人の目標に沿った特別プログラムを組むマンツーマンレッスンを開始。変化があったのは、練習に向き合う気持ちだと言う。練習が上手くいかないと靴を投げたり、氷を蹴ったりしたことがあったが、トレーナーのアドバイス(※注)を受ける中で、徐々に物事を前向きにとらえ、セルフコントロールができるようになってきたとのこと。また、大きな夢を抱いていてもたくさんのことに興味のある中学2年生。以前は、練習が嫌だとやる気にならないこともあったが、今は嫌だと思う気持ちを上手くコントロールし充実した時間が過ごせていると笑顔で答えてくれた。
取材後に行われる2週間のアメリカでの練習は、得意なジャンプをさらに磨き、ステップを中心とした全体のレベルを上げることを目標に掲げた。帰国するとすぐにチーム合宿(九州)と日本スケート連盟の強化選手のみの合宿(名古屋)にでる。「そんなに忙しいとイプラスはお休み?」と聞くと、「来ます!」と一言。フィギュアスケートは練習が厳しい上にたくさん移動をしながら戦わなくてはならない。体力はもちろん精神的な安定が必要不可欠であると想像できる。采花さんが、多忙であってもイプラスに来ると答えたのは、定期的なメンタルトレーニング・ビジョントレーニング・右脳トレーニングが、リフレッシュや目標の再構築、自分の居場所の確認に必要だと本能が感じているからではないだろうか。
現在の目標は、11月に名古屋市で行われる全日本ジュニア選手権大会で優勝。そして浅田真央選手と同じ舞台で滑れる全日本選手権大会(12月長野市にて開催)と世界ジュニアフィギュアスケート選手権大会(2009年2月~3月チェコにて開催)に出場することだ。全日本選手権大会と世界ジュニアフィギュアスケート選手権大会に出場するには、全日本ジュニア選手権大会2位以内が条件。采花さんの目標は優勝だが、いずれにしても狭き
門を通過しなくてはならない。全ては11月の全日本ジュニア選手権大会にかかっている。トレーナー氏いわく、11月の本番までにバランス力を鍛え、シンガンで目の動きを強化することで、実力を思う存分発揮できるようになるとのこと。期待が膨らむ。
少しはにかみ屋さんな采花さんはインタビュー時どんな質問にも慎重に考えながら話してくれたが、「金メダルは獲れそう?」の質問には、間髪いれず「いける!!」と大きな声で力強く答えてくれた。采花さんの決意と勇気とがんばりが私たちの力になりそうだ。イプラストレーニングという武器を得て、試行錯誤しながら、喜びと感謝を胸に、夢に向かって羽ばたこうとしている采花さんの今後の活躍が楽しみである。
采花さんからのメッセージ
「全日本ジュニア選手権大会で優勝して、世界ジュニアフィギュアスケート選手権大会に出場できるようにがんばるので、応援よろしくお願いします。」
文責 斉藤義生
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