志賀 |
お忙しいところ時間をとっていただきありがとうございました。実は創刊号で先生との対談を考えていたのですが、なかなかタイミングが合わず延び延びになってしまいました。今日はよろしくお願いいたします。 |
七田 |
よろしくお願いします。 |
志賀 |
お聞きしたいことはたくさんありますが・・・ 先ずは機関紙「子育ては夢育て」を拝見して、今回は「子どもの心と脳を育てる食育」がテーマでしたね。その中で、最近の子どもたちの食べ物に問題があると述べておられましたが・・・。 |
七田 |
そうそう、野菜づくりにお百姓さんが農薬を使いますから農薬の問題が大きいですね。しかし、野菜の農薬よりも、お肉の農薬の方が怖いんだそうです。 |
志賀 |
家畜に食べさせる餌に農薬が入っているということでしょうか? |
七田 |
そうです。野菜の8倍から40倍ぐらい農薬があるそうですよ。ですので、食べ物からしっかり指導しないと健康を損ねますね。いくら頭の働きをよくしても、病弱ではどうにもなりません。健康が一番の基本ですから、食べ物の指導から始めないといけないと、食育をテーマにしました。 |
志賀 |
その中で、日ごろの食事で心がけるとよい食材について、非常にわかりやすい表現がありましたね。食材の頭をとって「まごわやさしい」。「ま」は豆。「ご」は胡麻。「わ」はわかめ。「や」は野菜。「さ」は魚。「し」は椎茸などきのこ類。「い」は芋類、これらを食べましょうということですね。それらは脳によいのでしょうか。 |
七田 |
特に脳ということではなく、体によいので提唱しています。 |
志賀 |
でも、先生ご自身はご飯と野菜だけしか摂らない。魚も豆も口にされないでしょ?動物性にしても植物性にしても蛋白質は摂らない。学校で習った必須アミノ酸はどうなっているんでしょうか? かねがね不思議に思いながら、でも元気にご活躍・・・。 |
七田 |
体の中で造るんでしょうかねぇ、きっと。細かいことは分かりませんが、もう何年もこれで元気ですよ。 |
志賀 |
山奥の仙人は霞だけで生きている・・・ 体をつくる材料は炭素と窒素と酸素と水素。あとは若干のリンとミネラル。考えてみれば空気と水があれば材料はほとんど揃っているということですか? |
七田 |
さぁ・・・ どうでしょうか(笑)。 |
志賀 |
不思議なことはまだたくさんあります。先生は毎日のように講演される忙しさの中でたくさんの本を書かれています。しかも、次から次へと新しい話題や情報、外国の研究データなども紹介され、そういう情報をどうやって把握されているのでしょうか。 |
七田 |
情報は速読で得ています。本は、1日に平均3冊ぐらい、多いときは7冊ぐらい読みます。講演の合間、移動の車中でなど、いくらでも時間がありますでしょ? ノートにその本のタイトルや著者名、出版社を書いて、大切な情報を全部記録しておきます。 |
志賀 |
なるほど。先生ご自身が速読を使いこなしておられるんですね。 |
七田 |
はい。自分でも速読をやるんですよ。 |
志賀 |
そうでないと、あれだけ盛りだくさんの情報を入れて書けないですよね。 |
七田 |
書いた情報は、絶えず読み返していますので、固有名詞やどこに何を書いた、どの本から抽出したかなどが残っているんですね。情報を得ても、どこに入れたかわからなくなったということではいけませんからね。 |
志賀 |
その先生が指導されているのが波動速読。七田の子たちが、本を読むのではなく、ぱらぱらめくるだけ、あるいは両手で挟んだだけで本の内容が分かってしまう。固有名詞や絵や音の描写など、見えたり聞こえたりする・・・一体どうなっているのですか? さらに驚いたことに英語やドイツ語の本まで内容が分かってしまう。先生は波動で情報を掴むことができる、とおっしゃいますが・・・ 表現はともかくとして情報を掴むメカニズムが皆目分かりません。いつ頃からお考えになったのですか? |
七田 |
私が脳の力に興味を持ったのは、中学1年生のときなんですよ。 |
志賀 |
えぇ?そんな昔ですか! |
七田 |
ある同級生が、クラスの友人を人影のいないところに呼んで、深い催眠状態に導き「明日の歴史の試験問題が見える。見えてきましたか?」と聞いたら、「見えてきた」と答えたんです。そのとき読み上げた問題が、翌日そっくり試験に出たんですよ。それを中学1年生のときに見て体験したんです。それは何かと聞いたら、彼はバテレン術だと説明してくれました。後にこの不思議な力が催眠術ということをって、催眠術師になりたいと思ったんですね。しかし、なかなかチャンスがありませんでした。18歳の頃、新聞に催眠術の本の広告がでたのに飛びついて、やり方を覚えました。 |
志賀 |
講習ではなく、本の解説や説明を見て覚られたんですか。 |
七田 |
そうです。本の説明通りに知り合いの中三の男の子にやってみると、すっと導くことができたんですね。彼に協力してもらい練習しました。いろいろとできるようになり、当時働いていた職場で催眠術を見せてほしいといわれて、みんなの前で挑戦したんです。「あなたはもう目を開けることはできません・・・。目を開けて御覧なさい」といったらばちっと目を開けてね(笑)。みんなから失笑ですよ。私は面目を失墜して、催眠術の自信を失いました。それからまた少しずつ練習し、どんどん学んで、取り戻しをしていくんですけれども、そのおかげで今はいろいろな脳力を導ける七田オリジナルの手法を確立することができました。 |
志賀 |
ということは、一人一人の脳力を引き出すのは催眠がベースになっているんですね。 |
七田 |
そうですね。催眠がベースです。脳力を引き出すためには意識の深いレベル、つまり変性意識の状態にしなくてはいけません。その変性意識の状態に導くには、瞑想、呼吸、暗示のタイミングが必要ですし、イメージトレーニングも必要です。気を一つにしているという表現がふさわしいと思います。そういった手法を使えば人を深い意識に導き、波動で情報が取れるのです。私が導けば、どんな人でもうまく脳力が引き出せます。 |
志賀 |
現代は科学の世界、科学的な常識や世界観、価値観で支配されています。それが全てではないと思いますが、人間が決めた一つの体系、モデルとして成立しています。その分野から見たとき、先生ご自身がなさっていることやお考えは超越していますよね。子どもたちが、ぱらぱら見ただけで本に書かれている内容がかなり分かる、明日の試験の問題が予知できる。それは事実でも、なぜそれができるかが理解できない。科学者たちに話されて、反論されたり議論になることはありませんか? |
七田 |
科学者はなかなか理解してくれませんね。 |
志賀 |
理解したくてもできないんですよ、きっと。科学者たちの世界観には先生のおっしゃる現象は存在し得ないという考えがほとんどだと思います。今の科学的世界観は演繹法なんですね。現象を重視した帰納法で観察したらいいのですが、超科学的世界観というか・・・ それができない。どうしたらいいでしょうか? |
七田 |
でもねぇ、科学者もスピリチャルな現象に興味を持っている人が増えてきていますよ。 |
志賀 |
そうですね。一歩でも近づこう、体験しようという人は確かに増えてきましたね。 |
七田 |
それは量子力学で説明できる部分もあり、新しい科学になると期待している人は増えてきているんですね。医学でもバイブレーショナルメディスン(波動医学)というのが徐々に広まってきているんです。波動が、ごく当たり前の考え方になってきているという時代ですから、理解度は高まっていると思います。 |
志賀 |
先生からご覧になって、将来に希望がもてるというイメージですか? |
七田 |
そうですね。波動はエネルギーであり「気」なんです。人間は本来そのエネルギーを自由に使いこなす働きを持っているわけです。そのエネルギーをいろいろな形に変えて使いこなすことができるんです。例えば、薬の代わりに「気」で病気を治す、悪いものをみんな流して体を浄化するなどですね。その顕著な例として、障害ある子どもが悪いものを全部流して、元気になっていくことなどがあります。 |
志賀 |
指導されている障害児がそういった体験談を語っていますよね。波動や右脳を使うことが当たり前という社会になれば明るい未来が見えてくるのですが、現実の幼稚園や学校で右脳開発教育を取り入れているところは、ごく一部ですね。 |
七田 |
はい。まだまだ、右脳や波動は、深く理解されていないんですね。 |