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NEW VISION WEB版 vol.09
vol.9[掲載内容]
『理事長からの手紙』
 イプラス脳力開発トレーニング協会 会長 志賀 一雅[ CLICK ]


『脳力開発の未来を語る』
 対談 志賀 一雅 × 七田 眞[ CLICK ]


『先生に聞きたい!』内藤貴雄先生[ CLICK ]

『この人をご紹介』川西明峰高校 野球部監督 内藤人志宏監督

『全国のイプラスジムより』イプラスジム富山[ CLICK ]

『イプラスキャラバン』[ CLICK ]

 会長からの手紙
志賀一雅 ご挨拶 このニュービジョン9号でやっと念願の七田眞先生との対談が実現しました。創刊号に是非と思っていましたが、先生はご多忙でなかなか時間をいただけず、今回は脳力検定協会の理事会が終了したわずかな時間の中でご無理をお願いしての綱渡りでした。
 七田眞先生は幼児教育の先駆者で、それをプロモートする藤山守重社長との名コンビによって、七田チャイルドアカデミーを運営され今年で20年だそうです。
 国内では直営教室、加盟教室あわせて約450教室、通う幼児から小学生まで約4万人、海外はアメリカや韓国、インドネシアなどでも多くのお子様が実践しております。
 教室では七田式右脳教育を実践しており、これまでの幼稚園や小学校では行わないユニークな指導法で驚異的な成果をあげています。特に注目したいのは感性の豊かさで、絵や作文、作詞や作曲の表現力には驚かされます。
 それに加えて瞬間記憶力や識別能力、ESP(透視や予知など)やPK(念力)なども発揮できるようになり、磨き方によっては人の脳力には無限の可能性があることを垣間見ることができます。
 しかし、このユニークな教育法とその成果は社会通念から突出していますから、いかにして社会に認知してもらえるかが課題となります。
 イプラス脳力開発トレーニングジムで行う右脳開発は、七田チャイルドアカデミーの実績を基にしていますから、ジムに通う会員さんの中から力が芽生えてくれば、効果の証明になり社会に認知してもらえる早道かと思います。
 また、沖縄KBC学園グループや船橋情報ビジネス専門学校でもイプラス脳力開発トレーニングを授業として採用してもらい、右脳開発の成果が報告されています。さらに、昨年のいきいき脳フェスタの会場となった東京女子学院でも導入されることになり、その成果が期待されます。
 ところで、イプラス脳力開発トレーニング協会では、ブログを発信しています。思いつくままに何かを書くように仰せつかりときどき書き込みしていますが、まったく反応がないので空しさを感じて止めたい気分でした。しかし、アクセス解析をみると、一日平均15人、最近では30人の方に見てもらえているようです。
 このブログにジムや専門学校の成果を紹介し、私たちの活動を知ってもらうとともに、皆さんのコメントをいただき、活発な交流の場として活用していきたいと思っています。ぜひ、みなさんの声をお聞かせください。

イプラス脳力開発トレーニング協会 会長
志賀 一雅

 対談 志賀一雅 × 七田 眞 「脳力開発の未来を語る」
右脳開発の先駆者である七田チャイルドアカデミー校長・七田眞先生と志賀会長に対談していただきました。七田先生の未知への挑戦、新しいことへの探究心と行動力が、今日の七田式右脳開発法を確立したのだと感じました。フランクな先生方の対談をお楽しみください。
 心と脳を育てる食べ物
志賀 お忙しいところ時間をとっていただきありがとうございました。実は創刊号で先生との対談を考えていたのですが、なかなかタイミングが合わず延び延びになってしまいました。今日はよろしくお願いいたします。
七田 よろしくお願いします。
志賀 お聞きしたいことはたくさんありますが・・・ 先ずは機関紙「子育ては夢育て」を拝見して、今回は「子どもの心と脳を育てる食育」がテーマでしたね。その中で、最近の子どもたちの食べ物に問題があると述べておられましたが・・・。
七田 そうそう、野菜づくりにお百姓さんが農薬を使いますから農薬の問題が大きいですね。しかし、野菜の農薬よりも、お肉の農薬の方が怖いんだそうです。
志賀 家畜に食べさせる餌に農薬が入っているということでしょうか?
七田 そうです。野菜の8倍から40倍ぐらい農薬があるそうですよ。ですので、食べ物からしっかり指導しないと健康を損ねますね。いくら頭の働きをよくしても、病弱ではどうにもなりません。健康が一番の基本ですから、食べ物の指導から始めないといけないと、食育をテーマにしました。
志賀 その中で、日ごろの食事で心がけるとよい食材について、非常にわかりやすい表現がありましたね。食材の頭をとって「まごわやさしい」。「ま」は豆。「ご」は胡麻。「わ」はわかめ。「や」は野菜。「さ」は魚。「し」は椎茸などきのこ類。「い」は芋類、これらを食べましょうということですね。それらは脳によいのでしょうか。
七田 特に脳ということではなく、体によいので提唱しています。
志賀 でも、先生ご自身はご飯と野菜だけしか摂らない。魚も豆も口にされないでしょ?動物性にしても植物性にしても蛋白質は摂らない。学校で習った必須アミノ酸はどうなっているんでしょうか? かねがね不思議に思いながら、でも元気にご活躍・・・。
七田 体の中で造るんでしょうかねぇ、きっと。細かいことは分かりませんが、もう何年もこれで元気ですよ。
志賀 山奥の仙人は霞だけで生きている・・・ 体をつくる材料は炭素と窒素と酸素と水素。あとは若干のリンとミネラル。考えてみれば空気と水があれば材料はほとんど揃っているということですか?
七田 さぁ・・・ どうでしょうか(笑)。
 実践・速読法
志賀 不思議なことはまだたくさんあります。先生は毎日のように講演される忙しさの中でたくさんの本を書かれています。しかも、次から次へと新しい話題や情報、外国の研究データなども紹介され、そういう情報をどうやって把握されているのでしょうか。
七田 情報は速読で得ています。本は、1日に平均3冊ぐらい、多いときは7冊ぐらい読みます。講演の合間、移動の車中でなど、いくらでも時間がありますでしょ? ノートにその本のタイトルや著者名、出版社を書いて、大切な情報を全部記録しておきます。
志賀 なるほど。先生ご自身が速読を使いこなしておられるんですね。
七田 はい。自分でも速読をやるんですよ。
志賀 そうでないと、あれだけ盛りだくさんの情報を入れて書けないですよね。
七田 書いた情報は、絶えず読み返していますので、固有名詞やどこに何を書いた、どの本から抽出したかなどが残っているんですね。情報を得ても、どこに入れたかわからなくなったということではいけませんからね。
志賀 その先生が指導されているのが波動速読。七田の子たちが、本を読むのではなく、ぱらぱらめくるだけ、あるいは両手で挟んだだけで本の内容が分かってしまう。固有名詞や絵や音の描写など、見えたり聞こえたりする・・・一体どうなっているのですか? さらに驚いたことに英語やドイツ語の本まで内容が分かってしまう。先生は波動で情報を掴むことができる、とおっしゃいますが・・・ 表現はともかくとして情報を掴むメカニズムが皆目分かりません。いつ頃からお考えになったのですか?
七田 私が脳の力に興味を持ったのは、中学1年生のときなんですよ。
志賀 えぇ?そんな昔ですか!
七田 ある同級生が、クラスの友人を人影のいないところに呼んで、深い催眠状態に導き「明日の歴史の試験問題が見える。見えてきましたか?」と聞いたら、「見えてきた」と答えたんです。そのとき読み上げた問題が、翌日そっくり試験に出たんですよ。それを中学1年生のときに見て体験したんです。それは何かと聞いたら、彼はバテレン術だと説明してくれました。後にこの不思議な力が催眠術ということをって、催眠術師になりたいと思ったんですね。しかし、なかなかチャンスがありませんでした。18歳の頃、新聞に催眠術の本の広告がでたのに飛びついて、やり方を覚えました。
志賀 講習ではなく、本の解説や説明を見て覚られたんですか。
七田 そうです。本の説明通りに知り合いの中三の男の子にやってみると、すっと導くことができたんですね。彼に協力してもらい練習しました。いろいろとできるようになり、当時働いていた職場で催眠術を見せてほしいといわれて、みんなの前で挑戦したんです。「あなたはもう目を開けることはできません・・・。目を開けて御覧なさい」といったらばちっと目を開けてね(笑)。みんなから失笑ですよ。私は面目を失墜して、催眠術の自信を失いました。それからまた少しずつ練習し、どんどん学んで、取り戻しをしていくんですけれども、そのおかげで今はいろいろな脳力を導ける七田オリジナルの手法を確立することができました。
志賀 ということは、一人一人の脳力を引き出すのは催眠がベースになっているんですね。
七田 そうですね。催眠がベースです。脳力を引き出すためには意識の深いレベル、つまり変性意識の状態にしなくてはいけません。その変性意識の状態に導くには、瞑想、呼吸、暗示のタイミングが必要ですし、イメージトレーニングも必要です。気を一つにしているという表現がふさわしいと思います。そういった手法を使えば人を深い意識に導き、波動で情報が取れるのです。私が導けば、どんな人でもうまく脳力が引き出せます。
 波動と右脳の働き
志賀 眠のトランス状態になれば、波動で情報が取れるということを理解するのは難しいですね。情報が脳に伝達される仕組みを先生は「波動」という表現を使っていらっしゃいますが、例えば光は横波の電磁波ですし音は空気の疎密波で縦波です。いずれも波動ですが具体的にイメージできますよね。先生のおっしゃる波動というのは、何なのでしょうか。情報の担い手というか、媒介物は何なのか教えてください。
七田 量子力学ではすべての物質を細分していくと、これ以上分解できないという単位を量子といいます。それは単位なんですね。どんな素粒子がみつかっても、一番小さな単位を量子というんです。量子には粒子性と波動性があり、波動は情報を伴っており、情報を伝える力がある。それを私は波動情報といっています。その情報をテレビやラジオと同じように、波動を音声にしたり映像にするという働きが右脳なんです。波動がそこにあっても波動に共鳴する働きがないとキャッチすることができません。波動共鳴の機能が必要です。波動を感じとってイメージに変えることで、音声や映像になります。それはラジオやテレビと全く同じ働きがあるんです。右脳の一番の働きは、波動で情報をとって、イメージに変えて理解する働きなんです。
志賀 これは実体験が伴わないと理解するのが難しいですね。波動を音声にしたり映像に変換する働きが右脳にあると思われたのはいつ頃からで、何がきっかけなのですか?
七田 催眠を練習している頃から、そういう関連の本ばかり読んでいました。昭和30年代に読んだ本で、超常的なことに憧れて、修行をしたインド人の書いた伝記がありました。その中に「人間にはもう1つ別の内在的な感覚があり、それはまったく別の感覚で、全く別の精神だ」というのを読み、私が体験したいろいろなものが全部結びついたんですね。その後もいろいろな書物や実体験から波動情報や右脳の働きについての細かな手法や理論を頭に書き加えていったわけです。
志賀 先生のオリジナルな体系を作られたというわけですね。
 科学的世界観から超科学的世界観へ
志賀 現代は科学の世界、科学的な常識や世界観、価値観で支配されています。それが全てではないと思いますが、人間が決めた一つの体系、モデルとして成立しています。その分野から見たとき、先生ご自身がなさっていることやお考えは超越していますよね。子どもたちが、ぱらぱら見ただけで本に書かれている内容がかなり分かる、明日の試験の問題が予知できる。それは事実でも、なぜそれができるかが理解できない。科学者たちに話されて、反論されたり議論になることはありませんか?
七田 科学者はなかなか理解してくれませんね。
志賀 理解したくてもできないんですよ、きっと。科学者たちの世界観には先生のおっしゃる現象は存在し得ないという考えがほとんどだと思います。今の科学的世界観は演繹法なんですね。現象を重視した帰納法で観察したらいいのですが、超科学的世界観というか・・・ それができない。どうしたらいいでしょうか?
七田 でもねぇ、科学者もスピリチャルな現象に興味を持っている人が増えてきていますよ。
志賀 そうですね。一歩でも近づこう、体験しようという人は確かに増えてきましたね。
七田 それは量子力学で説明できる部分もあり、新しい科学になると期待している人は増えてきているんですね。医学でもバイブレーショナルメディスン(波動医学)というのが徐々に広まってきているんです。波動が、ごく当たり前の考え方になってきているという時代ですから、理解度は高まっていると思います。
志賀 先生からご覧になって、将来に希望がもてるというイメージですか?
七田 そうですね。波動はエネルギーであり「気」なんです。人間は本来そのエネルギーを自由に使いこなす働きを持っているわけです。そのエネルギーをいろいろな形に変えて使いこなすことができるんです。例えば、薬の代わりに「気」で病気を治す、悪いものをみんな流して体を浄化するなどですね。その顕著な例として、障害ある子どもが悪いものを全部流して、元気になっていくことなどがあります。
志賀 指導されている障害児がそういった体験談を語っていますよね。波動や右脳を使うことが当たり前という社会になれば明るい未来が見えてくるのですが、現実の幼稚園や学校で右脳開発教育を取り入れているところは、ごく一部ですね。
七田 はい。まだまだ、右脳や波動は、深く理解されていないんですね。
 右脳開発から脳力開発へ
志賀 現在の科学技術で構築した世界は、環境汚染や温暖化がひどく、経済は豊かでも心は虚しいなど、将来への希望が湧かない流れです。もっと積極的に新しい考え方を提案し、多くの人が共鳴すれば社会は変わると思うんですが、いかがでしょうか。
七田 農薬の汚染などは科学の面で見ると、一〇年・二〇年・一〇〇年経っても消えないそうですね。ところが右脳のイメージや波動を使うと消すことができるんです。自分の体の環境を変えてしまうことができるんです。赤ちゃんにとっては、お母さんの体が環境ですね。お母さんが農薬のかかったものを取っていると、農薬漬けの体になり、そこで育った赤ちゃんは、その影響で奇形になって生まれてくる危険性があるわけです。ところが赤ちゃんにそれを全部流してしまう力がある。そして自分を健康にするだけじゃなく、お母さんまで健康にすることができる。子どもたちは、環境による農薬などを消す力があるんですよ。人間はそういう力を持っているんです。科学を使っても農薬の害は消せないのに、人間の波動や意識を使うとそれが消せる。そういった能力に人間が目覚めると、未来は明るいと思います。ただ、子どもたちは、簡単に右脳を使いこなすことができるんですが、大人になるとこの事実をなかなか受け入れてもらえないことが多いですね。ですので、最初に申し上げた食育など物質的な食べ物から注意しましょうという呼びかけが必要なんです。
志賀 なるほど。科学者たちは「右脳の働き」と表現するところに抵抗があるかもしれません。一層のこと「脳の働き」としておけば耳を傾けてくれるのではないでしょうか。いま専門学校や女子校で「脳力開発」を授業に取り入れていただいています。そこには右脳開発も含まれますが、ビジョントレーニングやメンタルトレーニングを組み合わせて行っており好評で成果もたくさん出ています。教職員の先生方も、右脳開発というと抵抗があっても脳力開発では抵抗がないようです。社会人を対象にしたイプラスジムも脳力開発トレーニングと表現しています。しかし実際には右脳開発を指導しています。おもしろい、不思議だ、ESPカードが当たるなど、ゲーム感覚で続けていると、結果として記憶力やひらめき、判断力がよくなり、日常生活や事面でもそれが発揮できるのを実感し、右脳開発の興味につながっていると思います。ところが、「波動速読」の話をいきなりすると拒絶されてしまいます。少しずつ少しずつ考え方を柔軟に広げていくステップがイプラスジムの役割だと思っています。トレーナーの中には、右脳開発が大好きで、素晴らしい力がついてきている人も増えています。今後、脳力開発の役割がクローズアップされ、ますます浸透していくのではないかと思います。
七田 確かに大人になると考え方が固まってしまいますが、波動や右脳を使いこなすことは、人間がもともと持っている脳力を使うだけなんですね。その事実を講演会や本の執筆を通して広くみなさんに伝えていきたいと考えています。
志賀 今日は、興味深いお話をありがとうございました。また今後ともご指導よろしくお願いいたします。
 対談 雑感
志賀  かねてから七田眞先生には失礼のないように気をつけながらも突っ込んだ質問をしたく、それが実現できて嬉しく思います。先生とは車の両輪のような関係かも知れません。左脳ガチガチの人と論理的に議論するのは得意ですが、右脳キラキラの人とのお付き合いは苦手です。でも右脳キラキラの魅力を感じますから、自分の右脳を磨こうともがいています。
 脳の機能分化のメカニズムは、研究の進展によってかなり明らかにされてきてはいますが、それでも右脳の機能が単独で分離・解明されてはいません。むしろ左脳の機能と連携した総合的な働きがはっきりしてきました。この統合した力が社会生活には必要です。
 したがって右脳の機能を取り出して、それだけを磨くことはできませんし、左脳の協力が不可欠なのです。具体的には、事実を尊重し、あまり理屈で評論しない。科学的手法で言えば演繹法ではなく帰納法的なアプローチが必要となります。
 イプラスジムの活動はまさにこのような時代の要請に応えるものです。七田先生が幼児教育で実証された成果を、大人でも身につけることができるようなプログラムにすることが急務だと思います。それだけでなく、左脳ガチガチ人間が納得できるような理論構築の必要性も痛感しました。
 先生に聞きたい! 第1回 内藤貴雄先生編

~今号から始まりました「先生に聞きたい」。EBAに関連のある先生方の近況や今関心のあること、今後の取り組みなどについてお伺いしたいと思います。第一回は、内藤先生にお願いいたしました。まずは、2007年3月17日に日本テレビの「世界一受けたい授業」に3回目の出演をされましたが、その後の反応はいかがでしょうか?

内藤 毎回そうですが、番組の後で問い合わせがどんどん入って来るというわけではありません。しかし、子どもさんの目についてのご相談から、講演や本の依頼など、色々とお問い合せをいただきます。また、身近にたくさん見ていただいた方がみえて、「よかった」とは言われました。日本テレビさんからも、放送の評判は良いと聞いています。回数を重ねて取り上げていただくことはありがたいことです。やはり、テレビに出演することで、目やビジョンに対する考え方や重要性が少しずつ伝わってきていると感じています。見た人がすぐに行動を起こさなくても、頭の中に残っているでしょうから、それが今後、イプラスなどに対しての反応に反映されるのではないかと思っています。去年、任天堂DSのソフト「頭がよくなる THE目のトレーニング」を監修したんですが、これは2回目の「世界一受けたい授業」をご覧になって持ち上がった話ですので、テレビの影響力は大きいと思いますね。

~数年前は、ここまでテレビなどに取り上げられていなかったですからね。任天堂DSのソフトを体験することで、ビジョントレーニングをより深く知る方もいらっしゃるのではないかと思います。

内藤 そうですね。ゲーム内容がビジョントレーニングの全てではありませんが、注目していただくにはいいアイテムですね。

~新しい本の出版予定などはございますか?

内藤

6月に子どものビジョンに関するトレーニングの本が出る予定です。「勉強嫌い集中力のなさは眼が原因だった」「頭の良くなる目の体操」に続き、子どものビジョンについて知っていただくための本です。今回はCD付きの本ですから、楽しめますよ。

 連携を活かして

~内藤先生ご自身は、現在どういった方をご指導されていらっしゃるんですか。

内藤

やはり子どもたちが中心ですが、豊田自動織機の女子ソフトボールチームやプロボクサーを指導しています。ボクサーは、緑ボクシングジム所属で、去年バンダムの新人王を取った子です。まじめな子で、まだ数回しかやっていないんですが、いい能力を持っていると思いますよ。

~七田チャイルドアカデミー(以下SCA)では、内藤先生のビジョントレーニングを知った指導講師の方から、「今まではビジョンについて、気にせず指導してきたけれど、目という観点でみると確実に引っかかる子どもがおり、ビジョンについて関心を強く持っている」との声を聞きます。また、内藤先生が顧問をお勤めになられている東京女子学院では、今年からトレーニングを授業に導入していただいておりますが、明らかにビジョンがうまく使えていないというお子さんは、イプラスジムでのビジョントレーニングの体験を薦めていただいています。今まで以上にお子さんのビジョンへの関心が高まっていると感じます。

内藤

イプラスは正式には中学生からということになっていますが、イプラス本部の渡辺トレーナーも小さいお子さんを特別なクラスでみていらっしゃいますよね。SCA、イプラスが上手く協力しあって、ビジョンの問題を持つお子さんを発見、指導できる体制を作っていきたいですね。その試みとして、過去にSCAの有志の方に集まっていただき、東京と大阪で講演をやらしていただいきました。そのとき集まった先生たちが、心配なお子さんを何人か私のところにご紹介いただきました。こういった連携はすごくいいことですね。

 視覚発達研究会の役割

~いわゆるオプトメトリストというのは、いま職業としてらっしゃる方は日本では少ないんですよね。

内藤

そんなにたくさんはみえないですね。

~学校で資格を取っている方はたくさんいるのでしょうか?

内藤

アメリカで卒業した人は少ないですけれども、日本の学校は卒業した人はたくさんいますよ。

~そこで具体的、日常的に指導や啓蒙活動をしている方というのは?

内藤

少ないですね。基本的には眼鏡屋さんを経営している人、あるいは勤めている人がほとんどですから、こういうトレーニングに携わっている人というのは、全体から見れば本当に少ないですね。

~我々はイプラスという立場でビジョンに携わらせていただき、その重要性を常々感じております。できれば、オプトメトリストを国の資格制度として整えてくれればと思うんですが・・

内藤

日本の場合は、まだまだ難しいですね。眼科医の先生がまだオプトメトリストがどんなことをするかよく理解していないし、眼科医がいればオプトメトリストは必要ないと考えていますから。昨年夏に東京でおこなわれた、第1回の「視覚発達研究会(※註釈1)」で少しお話したとき、ある眼科医の先生は、オプトメトリストのビジョンに対する取り組みを知り、今までしたことのない検査をするようになってから、診療の幅が広がったとおっしゃっていました。こういう先生が増えてくると、オプトメトリストの価値がわかっていただけると思います。少なくとも取り組んでいただける先生が増えてくることはすごくいいことですし、今までの視力だけを計っていた医療ではなく、もっと子ども全体を見る医療に変わらないといけないと思います。そういう意味では、今後子どもの問題や社会の問題を含めて、とても大事なケアだと思います。今の視力の値だけでビジョンを診断しようとする方法だと、子どものビジョンの問題はなかなか見つからないですからね。彼らが単に知能の低い子やわがままな子どもとして終わってしまうのは残念です。それが少しでも変わってくれれば・・ ですので、視覚発達研究会というのは、ビジョンの重要性を眼科医に知ってもらうための役割も果たしてくれるかもしれません。

~視覚発達研究会についてお知らせがあればお願いいたします。

内藤

この夏、7月8日に大阪の大阪医科大学で「第2回視覚発達研究会」を開催します。前回と同じく研究発表やビジョンに対する啓蒙、私の講演など含めて半日の会を開催する予定です。どなたでも参加していただけますから、興味がある方は来ていただければ嬉しいです。

 1人でも多くの人にビジョントレーニングを届ける

~秋に内藤先生のビジョントレーニング集中セミナーを開催しようと準備中ですが、抱負などお聞かせいただけますか。

内藤

イプラスが大きくなったことや、TVなどによって、ビジョントレーニングに興味を持ってらっしゃる方が増えていると思います。しかし、具体的に何をしたらいいのかということがまだまだ浸透していないですね。ご自身の目について心配している方や自分の能力をさらに伸ばすために、目という切り口で考えていただくにはよい機会だと思います。ビジョントレーニングがどういうものなのかを、ベーシックからゆっくりとみなさんにお伝えできるチャンスだと思いますので、是非参加いただきたいですね。ただ、今回は初めての取り組みですから、私としてもどんなセミナーにするのがよいか現在模索中です。受講していただいた方すべての方が満足して帰っていただけるかはわかりませんけれども、何かのきっかけにはなるとは思います。こういったセミナーを今後やっていくことは、有意義なことだと思います。

~たくさんの方にビジョンを知っていただき、学校などで身体検査などの一環として、ビジョンチェックなどができるような環境ができたらいいと思っています。

内藤

そうですね。やはり早いうちに問題があることを見つけることは大事です。ビジョンを知っているのと知らないのとでは、随分違うと思うので、教育機関、学校や塾などでビジョンについて理解していただければ、随分変わると思います。

~いろいろな問題があるのかもしれませんが、20年前、10年前、5年前に比べて、徐々にビジョンに対する認知は広がってきています。今後もさらにいろいろな形で多くの方にお伝えしていけるように企画していきたいと思います。

内藤

やはりイプラスの影響は大きいですよ。各地にジムができ、体験や教室に通われて、ご自身について発見をされた方もみえると思います。それは素晴らしいことですよね。当然私一人の力ではできないですし、各地の教室で、がんばっているトレーナーさんの力が大きいですね。今後も共にがんばっていきましょう。

~今日はどうもありがとうございました。
インタビュー 斉藤 義生

内藤 貴雄
米国公認オプトメトリスト
特別視機能研究所 所長
イプラスジム学術顧問
カリフォルニア大学アーバイン校生物学科を経て、南カリフォルニアカレッジオブオプトメトリーを卒業。 我が国では数少ないドクター・オブ・オプトメトリーの称号を得る。 同時にカリフォルニア州の開業ライセンスも取得する。 '92年「特別視機能研究所」をスタートさせ、元ボクシングチャンピオンの薬師寺保栄や飯田覚士など様々な分野のスポーツ選手から小・中学生にいたるまでのビジョンケアをおこなっている。著書に「眼で考えるスポーツ」(ベースボールマガジン社)他多数。
 この人をご紹介 兵庫県立川西明峰高校野球部監督 内藤人志宏先生

今号より「この人をご紹介」がスタートしました。
第一回は、トレーニング指導を担当しているイプラストレーナー原 正樹さんが、兵庫県立川西明峰高校野球部監督・内藤人志宏先生に、取り組み内容やトレーニングの成果などについてお話をお伺いしました。

~こんにちは、本日はよろしくお願いします。まずは、シード校決定おめでとうございます。

内藤

ありがとうございます。

~このところコンスタントに(夏の予選)シードを取れていますね。

内藤

そうですね。5・6年前は、一生懸命・努力と根性で勝ちたいと取り組みをしてきたんですが、地区大会敗退で留まっていて、壁を感じたんですね。そこでフィジカル面のトレーニング指導の強化が必要だと感じ、メンタル・ビジョントレーニングをオプションとして取り入れ、シード校に選ばれるようになりました。

~5年お付き合いさせていただいて、いろいろな選手を見てきましたけれど、傾向としては、秋より春がぐっと伸びますね。

内藤

はい。冬を越えて、冬から春にかけて、体はもちろん、人間の幅が出てきたように思います。

~今年のチームもこの春、顔つきが一気に変わりました。

内藤

そうですね。授業を担当している先生の生徒に対する評価でも、そういう声を聞いています。そわそわしている、落ち着きがない、やんちゃなど、安定していない生徒がいるわけですが、顔つきや目つきが精悍な男の顔になってきたと。そういう選手は野球のパフォーマンスもしっかり伸びる傾向があり、相関関係を感じますね。

~選手たちのやる気で、試合運びも変わってきていますからね。昨日の試合は、残念ながら負けましたけれども、全てが紙一重でした。

内藤

ピッチャーが、ファーボールやデットボールで崩れる、守備が単純なエラーを繰り返して崩れる、そういった試合が徐々に少なくなり、安定感のあるゲーム運びに変わりつつあるのは、トレーニング導入の大きな結果だと思います。

~うれしいお言葉です。メンタル・ビジョントレーニングだけではなく、当然生徒たちのがんばりの成果です。でも影で支えていきたいという思いはいつも持っています。試合を見ると彼らはいきいきしていますし、昨日も負けてすごく悔しそうでした。ああいう表現をするのは、自分たちに力がついてきて、もっとやれたんじゃないかという意欲の表れではないかと今後への期待が膨らみました。

内藤

現在は雑然とした世の中ですが子どもたちは、以外と白紙の状態なんです。何をさせるか、どういう刺激やトレーニングをするかによって、ものすごく変化がある年代なんですね。

~私は月一回の指導ですが、彼らの変化は非常に感じますね。週一回ぐらいの割合でトレーニングしていただいているのですか?

内藤

そうですね。1年生から3年生までを混合でグループを作り、上級生が下級生に指導しながらやっています。

~生徒たちみんなの意識も高く、私が言わなくても段取りよくできています。また、野球部の進学率が年々高くなっているとお伺いし、とてもうれしく思っています。

内藤

そうですね。昨年の卒業生は、進路の実績もよかったですし、例年になく3年間無遅刻無欠席者がたくさんいました。もともと持っている学力には差があるわけですけれども、トレーニングをすることで、やる気・取り組む姿勢・集中力などがつき、進路面や皆勤の補助になったと感じますね。

~監督さんというのは、自分の実績にこだわり新しい物を受け入れる方が少ないと聞きます。その点、内藤先生は非常に柔軟ですね。当然判断はされていらっしゃるのでしょうけれども、いろいろなものを取り入れながら実践されています。

内藤

教員というのは、世界が狭い部分があるんですね。私は、自分がきちんと教え聞かせることがもちろん基本ですが、多方面の有能な方のお力を借りながら、生徒の野球の技術や人間性のレベルを伸ばす道を探っていきたいと思っています。生徒は、もっとよくなりたい、こういう風に伸びていきたいという欲求を個々にものすごく持っています。そこに刺激を入れていけば、非常によくなっていくと思うんです。また、高校野球の監督というのは、複数のコーチなどで取り組まれている高校もありますが、基本的にピッチングコーチ、バッティングコーチ、守備走塁コーチ、トレーニングコーチ、メンタルコーチ、カウンセリングなどを多角的に指導しないといけません。そこが醍醐味というか、おもしろさの部分でもあります。このように多方面から生徒にアプローチする私自身にも、ビジョン・メンタルトレーニングは非常に有効な手段だと思います。

~ありがとうございます。野球の成果も大切ですが、先生がおっしゃっているように人間性を育むことが大事ですね。トレーニングが社会人となって活躍するよい土台となればと思っています。もちろん、夏の予選は甲子園を目指して、微力ではありますが、プラスになるように私もがんばっていきます。生徒たちもよいモチベーションを持っていますしね。これから夏に向かって非常に楽しみな時期ですので、先生もお忙しくなっていきますが、ともに夢を実現させましょう。本日はどうもありがとうございました。

内藤 人志宏
兵庫県立川西明峰高校野球部監督
平成元年大阪教育大学小学校過程社会科卒業。川西緑台高校コーチとして選抜甲子園大会出場。その後、伊丹北高校、東灘高校を経て現在に至る。野球部においてのトレーニングや技術指導において多面的なアプローチを実施し選手の育成に尽力。ビジョントレーニングは数年前より本格的にチームに導入して、パフォーマンス面だけでなく集中力の向上など「人間形成」においても効果を挙げている。今後も生徒の能力向上につなげて行きたいと考えている。地歴公民科教諭
 ジムレポート イプラスジム富山

 全国で10番目のジムとして2004年2月にオープンしたイプラスジム富山は、富山市高田の有沢橋の西にある明文堂書店の北側にございます。
 会員のみなさんもそれぞれの成果が出しておられますが、中でも多くいただく意見としましては「メンタル面の充実」があります。ネガティブだった方はポジティブに、ポジティブだった方はよりポジティブに。そう、「よかったありがとう!」です。
 晴れた日は、その霊峰立山もイプラスジム富山からすごく綺麗に見え、その雄姿には、言葉に表しようがない感動を受けます。この優れたロケーションの中でトレーニングが実施できるイプラスジム富山に、ぜひ一度御立ち寄りくだされば幸いです。
 皆様とお会いできることを楽しみにしております。

 イプラスキャラバン

フリーライターはゆく! ゆっくりと 少しずつ・・
このコーナーは、ニュービジョンライターのEBAにまつわる旅の記録です。
はじめまして今回から新コーナー「イプラスキャラバン」を担当するフリーライターのモリスン大日です。全国のさまざまな場所に出没しEBAにまつわるさまざまなトピックスをお伝えします。どうぞ今後ともよろしくお願い致します

 沖縄キャラバン

 3月18日に開催された「いきいき脳フェスタ2007IN沖縄」の取材に行ってまいりました。沖縄といえば面白いのが、社内や家庭などで「○○に出張で行ってくる」と伝えると「ああ、そう」といった「どっちでもええわ!」的な空気を感じるのですが、それが沖縄となると「えぇ~いいなぁ」とか「私も行きた~い」などのコメントに変わり、場合によっては「ズル~イ!!」などのよくわからない感想をいただきます(笑)
 と、いうわけで今回の沖縄フェスタはKBC学園グループとの共同開催でゆいレール(モノレール)小禄駅すぐそばの「インターナショナルリゾートカレッジ」という「沖縄のリゾート観光・空港・ホテル・ブライダル・福祉保育」などのコースがある専門学校のキャンパスで行いました。やはり沖縄。「空港を降りた時点で幸せな気持ちになる」沖縄恐るべし。時間の都合で大好きな「テビチ定食」は食べれませんでしたが、公設市場で「石垣島の幻のラー油」を見つけ、お店のお姉さんが「後3本しかないけど・・」というので3本ともGETしました。それを横で見ていた、スタッフの方に「ひょっとして奥にたくさん隠されていて、来る人みんなに『あと3本しか・・』って言ってるんじゃないですかぁ?」と指摘を受けるもそれはそれとして完封シャットアウト。沖縄の皆様、お世話になりました。また呼んでくださいね。できたら近いうちに!

 富山キャラバン

 イプラスジム富山を見学に伺いました。建物わきで立派にお勤めしている番犬リオ君(2才)がおとなしいのをいいことに写真をたくさん撮りましたのでベストショットをアップ!イプラスジム富山も今回のニュービジョンの「ジム紹介」のコーナーでご紹介させていただきましたが、素晴らしい環境にあるイプラスジムです。
トレーナーの黒瀬さんは、物静かではあるのですが、じっと見ているとなんとなく可笑しくて笑ってしまう何ともいえない味わい深いキャラクターです。そんなキュートな(笑)黒瀬さんがいるイプラスジム富山に5月から「ボディプラス富山」という今流行の「ワンコインフィットネス」が併設されました。「体と脳を一緒に鍛えることができる」スペースとして今後が楽しみです。
 ところで番犬リオ君。ちょっとおとなしすぎやしませんか?もし悪い人が来たら(来ないでしょうけど)ちゃんと吠えてね!

ライター
モリスン大日

自称「単なる、読書好き・映画好き・音楽好きのフリーライターもどき」
EBAの活動内容に賛同しボランティアで取材活動を続けている。
「ニュービジョンを週刊誌に!」という無謀な夢を抱く。かに座。O型。
座右の銘「猫はなんでも知っている」